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2026/05/22

Yの記憶 -ある身体障害者の話- その②

新学期

地元の小学校に通うことになったY。そして始まるのが新学期の恒例、


先生「最初の体育は"新体力テスト"をします。」


いやだ。明日学校に行きたくない。Yにはどうしても体育をやりたくない理由がありました。

やりたくないですと先生に伝える?やりたくない理由を先生に何て説明すればいい?ちゃんと意図をくみ取ってくれる?

このままだと悲惨な結果が待っている。今ならまだ間に合う。

でも体育を休んだら…


???「なんで?そんなんY君だけズルくね。」


クラスのみんなに知られたら何て言われるか…

当時のYからすると“周りの目”を気にすることは自分を捨ててでも守るべき最優先事項でした。仮にその場しのぎで難を逃れたとしてもYの秘密はいつかバレる。とても言える空気じゃない。結局どっちに転んでも、行き着く先は必ず不幸でした

―――。



位置について、よーい、ドン!

1クラス35人の前で50m走。Y君の記録、


15.00秒↑


ざわざわ…

必死に笑いをこらえるコ。引きつった顔でこっちを見るコ。開いた口が塞がらないコ。みんなが不思議そうにYのことを見ている。


パッと見は普通(健常者)に見えるからこその反応。


自分でも当然だと思った。男子のくせに、女の子はおろか全クラスで一番遅かった。

Yのことを最初に見たクラスメイトには、ふざけてる?本気で走ってないんじゃないかとよく言われました。


新体力テストは50m走をはじめ、


握力・上体起こし・シャトルラン・垂直とび・立ち幅とび etc...


それぞれの種目でその都度悪い意味で注目され続ける屈辱


クラスメイト

「ッハハw マジかよw」

「先生ー、Y君なんか泣いてるー。」


新学期の体育はよく泣いていました。体育の授業が終わると先生は声をかけてくれた。


先生「大丈夫?”足”いけるか?」


でも気にかけてくれるのはいつも体の心配。先生ちがうんです。体が痛くて泣いているんじゃない。


運動ができないことを周りに知られることが、悔しくて恥ずかしいんです。


???

「痛いんじゃないんかい…」

「そんな理由で?」 


周りから理解を得られない可能性を危惧して、死んでも言えませんでした。

体育の授業の”驢懈�”を見られて、みんなとは違う”変なヤツ”ということが知れ渡って、周りから何て思われてる?クラスでまぎれもなく浮いている。いじめられるかもな。

小学校・中学校・高校の12年間、新学期は毎年必ず


「社会的な死」


を遂げてからのスタートでした。


その③に続く



安寧が欲しかった

♪ 7!!「オレンジ」


ワイの雑談日記 No.86