Yの記憶 -ある身体障害者の話- その④
高校受験
先生「次の授業は”移動教室”です」
うわマジか。あそこの教室、あのルートのあの階段を通らないといけないじゃん。
Yは階段を登るとき手すりがないと登れない。
でも手には教科書が…”辟。讒倥↑蟋ソ”が頭によぎる。
階段を登る様子を人に見られるのが嫌すぎて
階段に人がいると忘れ物を取りにいくフリをして引き返したり、
通る必要のない道を探してわざわざ遠回りをする「徒労」。
でも毎回できるわけじゃない。授業の時間に間に合わないと…
仕方ない、人通りが少ないときに登るしか…
???「クスクス…」
あぁまただ。人とすれ違ってしまった。
不思議そうにこちらを見つめる知らない人たち。中学生になっても”髱樣屮縺ョ逶ョ”は変わらず続いた。
学校になんか”変な人”がいるという噂が広まったらどうしよう…本当に億劫だ
―――。
そして迎えた高校受験当日。人生の分岐点。
試験官「学校別に”列に並んで”受験会場まで来てください」
慣れない受験会場、たくさんの知らない人たち。
どんな階段?手すりはある?何階まで登る?
もし自分が登れないほどの高い段差があったら…
直感でわかる、このシチュエーション。オワッタ。詰んだ。
今日に限ってはあの”徒労”をする訳にもいかない。
どうあがいても誤魔化すことはできない。”豁サ莠。繝輔Λ繧ー”が確定する。
???
「一体何をされてる方なのw」
「おーい大丈夫ですかーww」
確実に煽られた。
たかが階段の移動で?Yのことを初めて見たときの”あの反応”。なんで言うかな?もう最悪。
高校受験という大事な日に、階段で遊んでいると思われたのかもしれない。
受験会場に先導してくれる試験官の人でさえもYのことを見て理解できていない様子だった。
もういっそのこと、見ず知らずの人に「自分は足が悪いんです」とでも言ってしまおうか。
言ったところで理解が得られない。言い出す勇気もなければ、さらに”変なヤツ”に成り下がるだけ。意味がない。
いつも事情を知られないまま憶測で決めつけられる弱虫になるしかなかった
―――。
Yにとっての”羞恥心”は、
全校集会・文化祭・合唱コンクール・卒業式・受験・英語(漢字)検定の試験会場・塾・オープンキャンパス etc…
あらゆる学校イベントに組み込まれる。体育の授業や運動会だけではなかった。
クラスメイトだけじゃない。知らない人からの視線にも気を配る必要がある。
毎日のありふれた学校生活・日常動作すべてが対象で、毎日そこらかしこに潜んでいる。
普通に生きていれば一生頭によぎることのない「かもしれない運転」を張り巡らせながらビクビク怯える生きにくい毎日。
年に数回どころの話ではない。
幼いころから感じてた。考えたところで何一つ状況が良くなることはない無意味な思考回路。
いつも何か考え事をしていた。中学で通っていた塾も“雜ウ謇九∪縺ィ縺�”のせいで正直まったく身に入らなかった。
きっとこういう気持ちに余裕のある人たちが受験に受かっていくんだろうな。
受験の緊張と、受験に全く関係のない”遨「繧後※縺�¥蟆雁宍”のことで頭がいっぱいでまともに集中できず、高校受験は失敗しました。
その⑤に続く
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♪ Paledusk「HUGs」
ワイの雑談日記 No.88
